講演者 リー・スモーリン博士
自然を説明するための理論は電磁気学、力学、量子力学等など
複数ではなく、ひとつであるべき。
時間とは何か、空間とは何か、物質とは何か、
宇宙とは何か、生命とは何か、疑問は今もあり、
理論の進化は今も続いている。
時間と空間に焦点を絞る。
2つの大きな疑問
・時間と空間は、「連続」か「離散」か
・時間と空間は絶対的に他の何かと独立したものなのか。
ニュートン
絶対時間、絶対空間の存在を主張。
ライプニッツ
時間と空間は共に関係しており、片方が独立して存在し得ない。
マッハの原理
慣性力は宇宙の他の物質との相互作用。
アインシュタイン
相対性理論は時間と空間が関係する。
一般相対性理論は11桁まで実験と理論が一致。
量子物理学
AB ≠ BA
演算の順番が意味を持つ。
一般相対性理論と量子論をひとつの理論にまとめたい。
=> 2つの方法がある。
・アインシュタインの方法
物理的な深い考察により量子論に代わる古典的に意味のある理論の構築。
・その他多数の方法
量子論を一般相対性理論に適用。空間、時間と宇宙の離散化。
有力な理論のひとつに「ループ量子重力理論」(スモーリン博士の理論)
空間が離散化
=> 最小単位 プランク長さLp = (hG)^0.5 ~10^-33 cm
と予想される。
離散化された空間は点と点のネットワークと同じ。
=>量子幾何学
基礎物理学はネットワークの学問と言える。
ループ量子重力理論の重要な結果のひとつ
=> 空間の離散 最小単位 ~ 10^-33 cm
現在の加速器の性能 LHC ~ 10^-16 cm
=> 最小単位の検出には宇宙より大きな加速器が必要。
近年提案された解決方法
長距離飛んできた宇宙線の利用。
離散化された時空は光の分散を起こす。
(分散:プリズムによる光のスペクトル分解ようなもの。)
異なる振動数の光子は異なる速度をもつ。
=> 青い光子は赤い光子よりもわずかに速い。
同じイベントで放射された光子のうち、
長距離伝播する間に赤い光子は遅れる。
その差はわずかだが、
宇宙を長距離飛べばその差は現在でも検出可能。
(=>宇宙を顕微鏡として利用。)
markarian 501 のγ線バーストをMAGICで検出。
地球からの距離は3億光年。
赤い光子は4分ほど青い光子より遅れて到着。
ループ量子重力理論を支持するひとつの結果である。
光子の速度が異なる。
=> 特殊相対性理論の破れ
=> 因果律の破れ
修正案 => 二重特殊相対性理論 (Doubly Special Relativity)
プランクスケール長でも相対性原理は確認された。
理論の進化はまだ続いていて、まだまだやることが多くある。
新しい局面へ
・理論は実験により導かれる。
2 comments:
正直言って、全く分かりません ....
だけど、「得体の知れない」
特殊相対性理論の初心者向け本を
理解はできなかったけど
なんだかわくわくしながら読んでいた
学生時代を思い出しました。
それを英語で理解する ... 。
感服いたしました。
ごめんなさい。
これはほとんど自分用のメモとして書いてるので、
他の人が読んでもよく分からないと思います。
非常にゆっくりと話していたので、
分かりやすかったです。
特殊相対性理論はいま授業でやっています。
何か計算しようと思うとついつい古典的な計算方法を使ってしまうんですよね。
例えば速度の足し算とか。
長年の癖ですね。
アインシュタインはそれを「常識とは若いときに受けた偏見である。」と言っています。
常識を捨て、今までの考え方の延長線上から飛び出したアインシュタインを尊敬しています。
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